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AI技術を活用した内視鏡検査

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内視鏡AIの登場


内視鏡AIのTVCMを見たことがありますか?実際の研究員が出演しているあのTVCMは、かなりのインパクトを我々に与えているはずだ。少なくとも私は衝撃を受けた。「内視鏡にAIが搭載されたのか!」少し大きなリアクションだが、「医師の手や目は必要がなくなるのか!」と。今回はそんな私に衝撃を与えた内視鏡AIの機能と内視鏡AIの今後について、私の考えを述べさせて頂きたい。
※今回のコラムは富士フイルムメディカル株式会社の内視鏡画像診断支援システム「CAD EYE」を中心に考えて述べることにする。

実際に何ができるの~下部内視鏡検査~


2020年に発売された内視鏡画像診断支援システム「CAD EYE」は、大腸検査時の診断を支援する製品として生まれた。主な機能は2つである。内視鏡画面内にポリープなどの病変と疑われる箇所を検出すると、対象エリアを枠で囲って表示するとともに、検出音を鳴らし、医師に知らせる「検出支援機能」と、ポリープなどの病変と疑われる箇所について、腫瘍性なのか非腫瘍性なのか鑑別結果を表示する「鑑別支援機能」である。驚きなのが、全てリアルタイムで検出から鑑別まで支援してくれるということだ。

実際に何ができる~上部内視鏡検査~


上部内視鏡検査で診断を支援するCAD EYEは2022年に発売された。上部消化管領域の診断を支援する医療機器として日本で初めて薬事承認を取得したもので、これにより、富士フイルムメディカルの内視鏡AIは下部消化管から上部消化管まで広がった事になる。主な機能は胃がんや食道扁平上皮癌が疑われる領域を検出し、その結果を内視鏡画像に重ねてリアルタイムに検出する「検出支援機能」と、胃の内視鏡検査中に適切な静止画像が撮れているのか自動判定し、その結果を表示する「ランドマークフォトチェッカー」である。この機能により、適切に撮影できているのかを医師がより確認しやすくなることが期待されるのではと感じている。

内視鏡AIの今後


内視鏡AIは今後も盛り上がっていくはずだ。各社、内視鏡AIの開発と商品化が進んでいる。内視鏡だけではない。画像診断や問診、シフトの自動作成など、医療とAIは切っても切れない関係になってきている。そんなAIとどう付き合っていけば良いのか。私は良きパートナーとして隣にいてくれたら良い思う。最終的な病変の判断は医師の目になるが、医師が問題なしと判断したところをAIも問題なしと判断すれば、ダブルチェックのような感じで、心強いはずだ。胃がんと大腸がんは罹患率、死亡者数ともに高い値を示している。そんな状況をAIと医師の目によって、変えていけるのなら、素晴らしい事だと思う。今後の進化を楽しみにしている。